続 夕陽のガンマン アルティメット・エディション [DVD]
レオーネ監督イーストウッド主演「ドル3部作」完結編は、南北戦争を背景にした大作だ。しかし、その仕上がりは「夕陽のガンマン」のような緻密さは皆無である。開幕早々の殺し屋のクローズアップも、レオーネお得意の技法だが、殆ど意味のないアップだし、忌の際に金の隠し場所を半分ずつ聞き出すという設定には無理があるし、前作で含みのある渋いガンマンを演じたクリーフの役どころが単純な悪人になってしまったし、アラの目立つ映画ではあるが、イースウッドを喰っているウオラックの怪演が面白く、大砲を撃ちまくる壮大な絵造りもあり、なんだかんだ言っても魅力的な映画だ。目的地の墓場に辿り着いて、モリコーネの隠れた名曲「黄金のエクスタシー」をバックに、金の隠し場所の墓標を探し回るテュコをカメラが延々と追い回すシーンは、この映画一番の名場面だ。そして、やくざな掛け声をフューチャーした前衛音楽風のテーマ曲は、モリコーネの面目躍如な一大傑作だ。
ファインディング・ニモ [DVD]
ディズニーは、いいですね。必ず期待する結果になってくれる。
いわば、水戸黄門やラモーンズのような安心感がありますね。
個人的にトイストーリーが★5つなので、これは★4つです。
しかし、この映画がヒットして、なぜ熱帯魚屋でクマノミが売り切れるのでしょうか?
ボクは自分の子供がこの映画をみてクマノミを欲しがったら、「お前なに観とってんっ!」
と叱ると思います。
ハイディング
スティーブモーズに負けないテクニックを誇るカントリーギタリスト。
カントリーとはかなりハイテクニカルな音楽だ。もろにカントリーなので、なかなかアピールはしないかもしれない。テクニックを前面に押し出すギタリストなので、一部サーカスミュージックになっています。そのためやや歌心が犠牲になっております。そこが残念でございます。牧歌的なカントリーももちろんはいっています。それが許容できるかたに受けるのでは。エミルーハリスがゲスト参加。まだまだ修行中な印象。
10点中5点
ブルース・エニタイムII(K2HD/紙ジャケット仕様)
1960年代前半、ビートルズの大ブレイクの影で密かに息づいていたブリティッシュ・ブルースメン達の活動記録として資料的価値は高い、この辺の地道な活動が60年代後半以降の「ブリティッシュ・ロック」全盛の下地となったわけです、
50年代後半にアメリカと欧州で起きた黒人ブルース再発見ブームに触発された1940年代生まれの当時10代後半から二十代前半の白人ミュージシャン達による黒人ブルース解釈の最初の成果の一つでもある、
後に名を成し21世紀の現在では大御所であるエリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ロッド・スチュワート、ニッキー・ホプキンス、アルバート・リーらの若き日の演奏集として彼らのマニアにはこの音源が最初にLP化された70年代初頭より必携盤となっています、
攻撃 [DVD]
ジャック・パランスと言うと、「シェーン」の黒ずくめのガンマン役が余りに有名だが、私には、まずは今作だ。
これは、ロバート・アルドリッチによる骨太戦争映画。卑怯者の上官とタフで熱いハートの下士官、軍隊と言う階級社会の中、戦時下の最前線で起こる両者の確執と対立。
50年代ハリウッドで吹き荒れた"マッカーシー旋風"で冷遇されたアルドリッチらしく、軍隊が持つ階級制度の欺瞞さを強烈なメッセージを込め描いているが、ここまで無能な臆病者だと、システムと言うより個人の資質の問題に矮小化されてしまった気もするが、最後の最後で顕現化される本当のワルの正体と、それに対する決着のつけ方はいかにもアルドリッチ・タッチ。映画が製作された56年当時ハリウッドでここまで軍隊批判をダイレクトに謳ったのは稀だったようだし、何より反骨精神旺盛な硬派アクションとして、その後のアルドリッチ映画の礎をなっているのが魅力的。(この設定をサム・ペキンパーなりに昇華させたのが、大傑作「戦争のはらわた」だったと思う)
「神よ、力を!」は、ラストでパランスが叫ぶ有名な台詞だが、パランスならずとも、こんな無能な上司に仕えるのは迷惑極まりないし、人を使う立場の者は反面教師の教材とすべし。
パランスも、エディ・アルバートも、リー・マーヴィンも、勿論アルドリッチも亡くなってしまったが、そのスピリットは決して消える事なく生き続けるんじゃないか。