GOLDEN☆BEST/種ともこ 11YEAR’S WORKS
種ともこは、その「声」で存在を確立しているアーティストだと思っています。決して伸びやかな感じではないのに、突き抜けるような広がりを感じさせる歌声。そして、歌詞の意味がダイレクトに伝わってくる歌声。そんな歌声の印象は、私が初めて聴いた中学生の時から変わっていません。この2枚組は、「みんなのうた」で聞き覚えのある『Fat Ma Is Cleanin' The Room』から最近映画の主題歌になった『The Rainbow Song』にいたるまで、曲の振り幅の大きさも含め、まさにベスト盤。私としては『オ・ハ・ヨ』が入っていないのが意外でちょっと残念でもあったのですが、それもまた本人セレクションのベストを聴く面白さなのかもしれない、とも思います。
初夏の頃
いわゆる浜田さんの70年代というのは作品を作るのにものすごく苦しんだ時代と語られていますが、その後多くの曲がバラードアルバムなどで新たな命を吹き込まれています。そして本作ではまだ手付かずで残っていた原石のような秀作達をソロデビュー20周年のプレゼントもかねて、新たにレコーディングしなおされたわけです。サウンドはいわゆるバンドサウンド、ヴォーカルは音楽の楽しさに満たされているかのように生き生きと聴こえます。聴けばついつい体がリズムをとってしまうそんなアルバムですね。もちろんどこか過ぎ去った日々に想いを馳せるようなバラードも収録されているのです。