写真でみせる回想法―付・生活写真集 回想の泉
購入したのは、実は発売されてすぐ、志村先生の研修を受けて。最近までこの本を利用することがありませんでした。従来型の施設からユニット型の施設に移動になり、利用者と生活を楽しむ時間が取れるようになりました。一人の利用者と隣同士に座りゆっくり語り合います。なんでもない時間が過ぎ、お互いに充実間のある時間がすごせます。ぜひ使ってみてください。
日本合唱曲全集「うえーべるん」池辺晋一郎作品集(1)
感動を人に与えることができる合唱曲は多いと思いますが、その中で一番簡単な譜面で歌いやすい混声合唱曲集は池辺晋一郎が1977年に作曲した『六つの子守歌』ではないかと思っています。6曲とも覚えやすい美しいハーモニーをもっており、それでいてそれぞれの個性が違うのが魅力だと感じています。全曲とも、劇作家であり童話作家の別役実の詩です。親しみやすい詩のイメージと池辺晋一郎のメロディのマッチングが素晴らしいですね。
田中信昭指揮の東京混声合唱団の演奏と、志村泉のピアノは安定しており この曲のお手本の録音と言えましょう。1982年12月の収録です。
1曲目の「風の子守歌」は、これ単独でもよく歌われる曲です。3回繰り返すわけですが、詩の持つ力が大きいため、退屈しません。なにより美しいピアノ伴奏が花を添えています。
2曲目の「空と海の子守歌」は、歯切れのよい男声パート、たっぷりとしたハーモニーの合唱と掛け合いの面白さ。ピアノのアルペジオが星空の美しさを象徴しているようです。
3曲目の「いつもの子守歌」は、寂しい曲想です。男声3部合唱、女声3部合唱とで応答するなど変化を付けています。混声4部での分厚いハーモニーが織り成す寂寥感はこの曲のポイントでしょう。ラストのユニゾンの美しさ、見事な処理です。
4曲目の「思い出の子守歌」は、過去を切々と語るように繰り返すメロディが寂しさを募ります。メロディメイカーである池辺晋一郎の本領発揮の曲と言えましょう。
5曲目の「おさかなの子守歌」のトボトボとした歩みのような象徴的な詩と旋律、不思議な孤独感が伝わってきます。
6曲目の「眠っちゃいけない子守歌」は1970年代に流行ったフォークソングのようなメッセージ性とメロディを持っています。
第22作 男はつらいよ 噂の寅次郎 HDリマスター版 [DVD]
大原麗子さんの訃報に接し、すぐに見直し、偲んだ映画がこの作品でした。大原麗子さんは、このころ、丁度サントリーレッドのCMが放映時期と重なり、人気絶頂、世の男性の圧倒的な憧れだった頃でした。その大原麗子さんの魅力が存分に引き出された役だったと思います。山田洋次監督は、マドンナ役の女優の魅力を上手に引き出しますが、この時の大原麗子さんは、まさに脂が乗りきっていた時期に当たるのじゃないかと思います。美しく、可愛らしく。こういう女性こそ男の理想、といった役どころでしょうか。涙ぐんでしまうほどの魅力です。寅屋の方々の意気もぴったりあっていたのではないかと思います。渥美清さん、笠智衆さん、太宰久雄さん、志村喬さん。そして大原麗子さんと大勢の方が鬼籍に入られましたが、映画は今もって私たちに喜びと感動の時間を提供してくれます。映画の方々はスクリーンの中で永遠の生命を得られたのだとしみじみ思いました。ご冥福をお祈りいたします。