銀の爪
通算3枚目のミニアルバム。
このアルバムを一言で言えば「抜けたなぁ」である。
楽曲、ボーカル、バンドアンサンブル…すべてが今までのもやもやを突き抜けている。
もちろん今までのアルバムやシングルも良かった。しかしそれぞれが過渡期の音で、何かもう一つ…といつも思わされた。
前作のシングル「街灯/ふたりで目覚めたら」は、かなりの“おこもり”な音作りをしたようで、何か掴むものがあったのだろう。それが今回の抜けの良さにつながっている。
それと、今回のドラマーがいい。ようやくフィットするドラマーを見つけたようで、一安心。表現力があり、ハットの使い方にセンスを感じる。
オススメは「1.銀の爪」、「2.カレンダー」。「1.銀の爪」のギターソロの音がとにかくしびれる。
次のリリースが待ち遠しい。
MAMALAID RAG
他のミュージシャンと比べる必要のない、クオリティを持っている作品群は、ビートルズに遠くないほどに洗練されている。ポール・マッカートニーや、モーツァルトのような突き抜けるメロディ、ビーチボーイズやバッハのような澄んだ和音、ザ・バンドのような躍動するドライヴこそないが、ショパンのような詩性を帯びたメロディセンスはせせらぎのようで、心安らぐ。特にこのアルバムに入っている「夜汽車」は素晴らしい。
他には、「街灯」など、詩、メロディともに、淡く清い心の風景を歌った作品がある。
軽快なドライヴの「春雨道中」や「目抜き通り」もオススメ。
是非バンドスコアを出版してほしいと思う。