クレムリン(2) (モーニングKC)
紙の質が粗悪でバサバサしてるから乾燥した冬場でもページがめくりやすい。
こういう配慮は非常にありがたいので競合他社にも是非見習ってほしいものだ。
作画力は、予想通りまるっきり向上しておらず、ある意味日本国民の期待に応えている。
おそらく最も集中して描き込んだであろう105ページ上段の消防車だが、
建物との遠近感がバラバラだし、放水の水も開花直前のアサガオにしかみえない。
今の日本の若者は、この作画を許容するほど精神的に疲弊している。現政権の責任は重大だ。
29パージにて床屋で角刈りにされたネコが、単なる長方形になるというE難度の手抜きが披露されているが、
これは作者のワナである。
よく見るとネコの顔の方向に関わらず常に全身が長方形であり、推論するとこれは円筒形である。
つまり平面ではなくギリギリ立体だ。もう本当にどうでもいい。
2巻目が発売されるということ自体が狂気の沙汰なんだけど、時代がそれを望んでるんだから仕方ない。
泣こうが笑おうが我々はこんな時代を生きてる。
笑おう。
クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)
タイトルも惹かれるし、読んでいっても苦にならないテンポの良さ!
基本的に小説を原価で購入しない自分が、本屋できちんと新書を
購入した一冊!
一読目はラストに物凄くがっかりしましたが、二読目はそんなに
イヤじゃなかった。
ただ、主人公が『ゲーム』に参加する事になってしまった経緯だけが
未だに分からない。(分からないままなのが面白いのは分かってるケド)
だんだんと追い詰められていく人々の心理状態、凶暴性が露に
なっていく過程、所詮人間も『知能を持つ獣』だという感覚に、
読み手は引き込まれます。
・・・とりあえず、未読の方は読んでみてください。損はないです!
クレムリン(1) (モーニングKC)
ペンネーム「カレー沢薫」。
この小学生でも思いつかなそうなネーミングセンスがこの本のすべてを物語ってます。
表紙からしてただならぬ「妖気」を放つこの本を手に取りましたが中身も期待通りのまともなものではありませんw(一応褒め言葉です)
絵もギャグセンスも一般のギャグ漫画とはほど遠いカオスぶり。起承転結?そんなもんしったこっちゃねぇといったオーラ。
目が死んでる主人公と三匹の飼い猫の関羽(×3)がメインのネコライフ本ですが、この作者の猫への愛は常人のものとは三光年ほどかけ離れているみたいです。
最初にページを捲った時は「血迷ったか、講○社!?」と思いましたが、読み進めているうちにジワジワとくる面白さにクセになりました。
これは人によって好き嫌いが分かれそうな作品ですが、一風変わった新鮮味あるギャグ漫画を欲する人にオススメします!
世界遺産 ロシア編 [DVD]
アジアやヨーロッパとも違う、ロシア独自の建築様式が垣間見えるクレムリン。
とてもすばらしいです。
ただ、やはり現在のロシアの在り方が頭をよぎり、素直に感動できない。
残念だ。
KREMLINMAN
前作までにない往年のエレキギターのリフが心地よい楽曲が収められた
『KANのロックアルバム』…しかし、ちゃんとKANさんらしいピアノ曲
M2やM5、上質なPOPSのM4,M7などもありますのでファンの皆さんも安心。
アルバム全曲さらりと聴くとシンプルな楽曲たちなのですが、じっくり聴けば
メロディーやアレンジ、曲構成などの作り込みに『タイガーソングライターKAN』の
類い稀な音楽的センスの良さを感じる。
(例えば、M1からM3「ロック〜ピアノ弾き語り〜ロック」を継ぎ目なく
しかも歌詞世界を一気に飛び越えて聴かせる職人技には拍手!)
さらに様々なアーティストへのリスペクトっぷり(?)も楽しめます。
M5は『まるでスティービー・ワンダー』なハモニカのメロ(個人的には弾き語りver.の方が好きです)
M6は『まるでボン・ジョビ』なコーラス&リフ(ってコピーのカセットのCMが昔あったなぁ)
M8は『こりゃマッキー』…これは全て!(先に歌詞を見ないように。最後に、してやられます)
この流れは
アルバム「遥かなる…」の『JなBOYのあの方』を経て「カンチガイ…」では『パ○ューム』に到達(笑)
こういう音楽的な遊びを本気でやっている「無邪気なKANさん」と
もちろん、正統派POPSやバラードも「きっちりオリジナルなKANさん」。
そのどちらも見事に収める絶妙なバランス感覚をもってらっしゃる。
そんな屈指のソングライターっぷりを痛感させられるアルバムです。