SONGS I
「悲しみに出会うたび あの人を思い出す…」で始まる「ふれあい」始め、団塊世代にはたまらなく懐かしい名曲ばかりです。常にカッコよく青春を謳歌していた中村雅俊も、もう還暦ですね。自らの青春期代の思い出と重ね合わせながら、ときに彼の歌を聴くのも楽しみです。
STARTING OVER
「浮世の夢」や「生活」の頃は、まさか20年も続くとは思っていなかった。
宮本浩次の才能を見逃さなかった大勢の人に感謝。
この最新作は彼の音楽的才能が遺憾なく発揮された記念すべきアルバムだ(月並みな言い方だが)。
でもなぜSTARTING OVERというタイトルなのだろう。辞書には「やり直し」などという意味まで載っているが。
そこで、ロッキングオン・ジャパンのインタビュー記事を読んだ。
お陰で、彼がこの17作目のアルバムをどんな気持ちで作ったのかがはっきりとした。
長年のファンの脳裏には、昔から聴いてきたがために思い込んだ「エレカシ像」がある。
それは本人にしても同様だった。
しかし、そういう誇大妄想的なロマンを超えたところで作られたアルバムだということが分かった。
同時に、ここ10年のアルバム群がなぜああだったのかもわかった。
『脳でなく耳で聴けるアルバム。
気迫の向かいどころが曲中心になることを自覚してやった、第一歩。
その分言い訳できないので、重い。新しいことを今回のアルバムでたくさんできた。
それが歌としてみんなにちゃんと届いたと思えればまた、ひねくれないで、きっとまっすぐ行ける。』
STARTING OVERとは、宮本浩次が音楽の原点を「見つめなおした」と取ればいいのかもしれない。
これが一番分かりやすそう。
長年のファンにも、ひねくれないで、まっすぐ聴いてほしい、名曲ぞろいのアルバム。
俺たちの旅 十年目の再会 [DVD]
俺たちの旅最終回から10年。
このスペシャル版は三人がその後の人生をどう生きているのかと云う説明から始まる。
グズ六は社長に、カースケは変わらず自由を楽しむ自由人、オメダは苦悩の末失踪と三者三様の人生だ。
10年前、南米に旅立ったヨーコはしがない学者の妻となって不幸な境遇となっている。彼女の薄幸なる人生はこの10年目より書かれて行くのだ。今回の特筆すべき点はカースケが最初で最後のヨーコに始めてと言ってよい告白的なセリフを言う場面だ。
しかしヨーコは同情と受け取ってしまう。カースケを愛しつづけた彼女の歳月は 余りにも長い歳月でありすぎたのか?
その後ヨーコの早すぎる死によって二人の旅路は永遠に交わる事無く終わる。
後の20年目で 今生の別れを遂げる二人の悲しい結末の序章がここにあるのだ。
君たちに明日はない (新潮文庫)
「ワイルドソウル」には圧倒された。
ああいう小説は初めて読んだ、と思った。
その垣根涼介が、テレビでインタビューに答えていた。
「君たちに明日はない」と、「借金取りの王子」が紹介されていた。
そして手にとった。
悪くはない。
でも新しさがない。
書かれた時から時間が経過したからだろうか?
いや、違う。
「ワイルドソウル」を読んでいる私は、垣根にしかない「疾走感」を期待して読んだのだ。
しかし、これなら読んで一年経ったら、「あれ、あの…リストラ請負人の話は誰の本だっけ?」となるだろう。
垣根でなくても書ける題材なのである。
もう、あのレベルの小説は読めないのだろうか?
じっくり腰を据えて、しっかりした取材に基づいた重厚さのある、エンターテイメントを、また書いてもらいたいものである。
俺たちの旅・青春の詩~俺たちシリーズ主題歌・挿入歌集~
皆さんのおっしゃるとうり、この時代を生きた人には最高のプレゼントです。かつての友人。別れた恋人。旅立ってしまった人たち。会いたくてたまらなくなります。