フォーゴトン・レルム年代記 (ダンジョンズ&ドラゴンズ サプリメント)
本書は-35000DRから1385DRまでのおよそ36000年にも渡るフォーゴトンレルムの歴史を年表、地図、そして各所に挿入されたコラムで綴ったフォーゴトンレルム世界の歴史書です。
あらゆるサプリメントや小説の内容をフォローしたこの年代記によって、日本語で初めてFRの通史を理解することができ、これまで断片的だった古代種族から現在、そして4版に繋がる事件までの概略を把握することが出来ます。
ただ、そうは言っても年表がメインですので、フォーゴトンレルム世界に興味がない人にとっては全く意味のない代物でしょう。他のサプリメントのようにD&Dのゲームに使えるデータなどは一切存在しませんから。
逆に小説のファン、フォーゴトンレルム世界のファンにとっては必携の一冊です。この本があれば膨大な英語の小説やサプリメントをひっくり返すことなく、様々な歴史上の事件を把握し、それを自分のキャンペーンに組み込むことが可能ですし、4版までのフォーゴトンレルム世界の歴史をこの一冊だけで理解することが可能ですので。
私はフォーゴトンレルム小説のファンであり、フォーゴトンレルム世界でD&Dのゲームを楽しんでおりますので、星4つの評価となりました。
エド・ウッド [DVD]
初めてこの作品を見た時は、一体どこがいいんだ?なんて思ってしまった私ですが、DVDを購入し何度も見ているうちにこの作品の世界に引き込まれていったという感じがします。登場人物すべてが憎めない、愛すべき存在で、クスリと笑わせるところもあれば、哀感漂うところもあったりして盛り沢山です。ハリウッド映画独特の派手さはありませんが、じんわりと心に迫る作品ということで星5つ。
人生万歳! [DVD]
ウディ・アレンが久しぶりに古巣NYを舞台に描く、恋愛狂想曲。アレンの記念すべき監督40作目となる物語の主人公は、皮肉屋のインテリ老人という明らかに自身を投影したような男。
主人公が、スクリーンの向こうにいる観客に向かって語りかけるユニークな語り口から、すでにアレン節が炸裂。どこか「アニー・ホール」を思い出しますが、それもそのはず、本作の脚本はアレンが70年代半ばに書いたものだそうです。
皮肉屋で理屈っぽい主人公は、女子供相手でも容赦なく悪態をつきまくります。だけど雑多な大都会NYの空気のせいか、はじめは南部の保守的な田舎者だったメロディや彼女の両親の本能を目覚めさせるのに時間はかかりません。(笑)
尺取虫並の脳しか持たないメロディは自分で考える知的な女性へ変化し、母親はアートに目覚め、父親は自分がゲイであることを認めるようになります。
登場人物は目を見張るスピードで激変するが、感心するのはその時間描写の上手さ。例えば、ボリスがメロディにベートーベンの「運命」を聴かせ、これを聴けば運命の扉が開くと説明した途端、ドアをノックする音が。メロディが扉を開けるとそこには新しい登場人物がいるという解りやすさ。(笑)
本作の原題は「Whatever Works」(なんでもあり)です。ホントにもうやりたい放題で、物語も演出(観客に向かってのセリフも含め)も “なんでもあり” の世界。
また、ぶっ飛んだ人々と偏屈な天才オヤジのやり取りで91分を超特急で駆け抜けます。70半ばを迎える人が撮った映画とは思えない勢い。
終わりよければ全て良し物語は「人生はいろいろあっても、収まるところに収まっていくものだから心配無用」とのメッセージかもしれませんね。アレンらしいハッピーエンドでした。(苦笑)
ダンジョンズ&ドラゴンズ サプリメント フォーゴトン・レルムワールドガイド
これは、各種小説やFCを初めとしたコンピューターゲーム等でよく知ら
れたDnDあるいはAD&Dの背景世界、フォーゴトンレルムのワールドガ
イド(設定集)である。
本書が英語で出た時、その出来のよさと緻密なまでの解説と今までどの資
料からも語られることの少なかった過去の歴史や秘密が仔細に書かれている
ことで、まるで新しい魔法書を手に入れた魔道師のように非常に興奮したの
を思い出します。
今回、このすばらしいサプリメントが日本語として読めるときがくるのは
正直言って、想像できませんでした。
この本のすばらしさは今までの過去15年間に造られて出版されてきたさ
まざまなサプリメントの情報を1冊で、そして日本語で読めるとということ
です。この1冊だけで、DMとして、PLとして10年間は遊ぶことが出来
ると私は確信をもって断言することが出来ます。
たしかに、追加ルール、特に種族、上級クラス、領域呪文等においてはま
さにFRらしさを加味しだすものが数多く掲載されていて、DnDのサプリ
メントとしても有益かつすばらしい価値を有していることは間違ありません。
ただ、一般的なファンタジーの設定として、あるいは世界でもっとも遊ば
れるシステムの、もっとも情報量の多い世界設定としても、この本1冊で他
のゲーム、あるいはRPGのネタ本としても隠れた多くの魅力を持つものと言
えます。
もし、貴方がアイスウインドサーガやダークエルフ物語を読んで、興味を
持つなら、この本には小説では語られなかった新しい驚きがあるといます。
最後に、躊躇わずに買うことを進められる本はなかなかありませんが、私
は迷わずに、薦められます。貴方が、この本を手にして、新しい驚きと感動
をこの本で見出すことを祈っております。
ア・リトル・キッス・イン・ザ・ナイト(紙ジャケット仕様)
ベン・シドランのあらゆる意味での才能が端的に表現されたアルバムはこれ。
まずはジャズとロックを最も理解し易いポジションで融合させている点。こういう立ち位置にいるアーティストは日本では数えるくらいしかいないが、そのポジションで最も世界的に成功したのがベン・シドランである事は言うまでもない。
また、彼のピアニストとしての指捌き・テクニックが、さりげなくではあるが随所に披露されている点。決して“これ見よがし”ではなく楽曲の中の1フレーズとして、彼の流れるようなピアノ捌きが散りばめられているのは何とも心ニクイ。思わずニヤリとさせられる。
そしてこれだけのビッグ・ネームのミュージシャンらをまとめ上げる技量の凄さ。後に“Dr.Jazz”の異名をとるだけあって、この当時から彼に心酔し集ったミュージシャンらを統率している様がありありと伺える。
このアルバムから森園勝敏は「キャディラック・キッド」「フェイス・ユア・フィアーズ」の2曲をカバーしているが、まさしく「Musician's Musican」。堂々たる完成度を誇る、AORの名作である。