永遠と一日 [DVD]
ギリシアの青い海。ゆったりと流れる河。アルメニア国境付近の雪・・・。自然が生み出す美しさが、主人公アレクサンドルの死を静かに受け入れようとしている。
現実と過去が彼の幻想の中で交錯する。白いカーテンを開くと、そこには懐かしい浜辺が待っている。そしてまた今や去った家族や親戚がいる。彼はそこへ行こうとしているのだろうか。-永遠の時間が流れるその場所へー
永遠の一日 (海外文学セレクション)
〜ふわふわした雰囲気の、なんだか懐かしいような不思議な作品。
その世界にいったん入ってしまえば、独特の感覚をすんなり楽しめる。
著者お得意の、絞り込んだ登場人物に焦点をあてた小説で、丁寧に書き込まれている。
原題がDamascusなのになぜ邦題が永遠の一日になったのか彼に聞いてみたところ、
「翻訳にはよくあることだし、実際内容はその通りだからね〜〜」と笑っていた。
青と金魚の装丁もお気に入りとのこと。〜
永遠と一日
あなたは、時間とよばれるものについて考えた事がありますか?それは進むものでなくましてや戻るものではない。私の耳をとおして感じるこの映画のサウンドトラックは、どの空間から流れてきたものなのだろう? 永遠という言葉の意味するものはまた、そこにあるものなのかないものなのか。長く『続く』ものを永遠とするのも、また終わりのないものをそうとするのもいいでしょう。
私たち言葉をもつものが与えたこれらの概念の浮雲的な、超空間的なあやふやさを映画の場面とともに響かせてくれるCDです。
テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX IV (永遠と一日/再現/放送/テオ・オン・テオ)
前期の集団、政治的映像から、主人公を作る映像に変化を遂げたテオ・アンゲロプロスにとって、「永遠と一日」は両方の集大成だろう。現在と過去を自由に行き交う映像とガンツの思いが、見事な叙事詩となって胸に突き刺さって来る。日本にも溝口健二や小津安二郎 と言った素晴らしい映像作家はいるが、世界にはもっと凄い作家がいる。