淫蜜壺診断 (富士美コミックス)
16頁の作品が11編収録された短編集。前半の作品群に風呂場から情交が始まる類似性を若干感じるものの、相変わらず安定したゆうき作品的穏やかな愛情物語が描かれている。義兄妹や従姉といった相姦の背徳性を感じる作品も見受けられる。後半にいくとオフィスを舞台にした作品が幅を利かせ、ロングの髪型でビシッとスーツをキメたお姉さんがわんさか出てくる。閉じ込められたエレベーター内で全裸にハイヒールだけの御姿で後背立位という、ベタながら実にそそられる情交も艶めかしく描かれている。こうした女性陣の美麗さや妖艶さが尋常ではないのだが、女医にして主人公の学生時代の先輩というキャラが、珍しくも短い髪型でお姉さん、それでいて実に美しいという特異性を発揮していた。
ただ、ちょっと気掛かりというか、今となっては手遅れというか、作品の構成として気になる点が見受けられる。16頁という限られた中にもかかわらずなかなか結ばれないため、情交シーンに最後の最後まで費やしてしまい、割を食った形で結末を最後の数コマ、場合によっては1コマで終わらせてしまう“悪癖”が、幾つかの作品に出始めているのである。作者自身が自覚しているかは定かではないが、少なくとも目下の最新作『誘惑という名の愛』を読んだ諸兄であれば、このパターンに気づくと思う。これだと何故か話が面白くなくなる。急に尻切れトンボ的な終わり方をされるからである。もう少し早めに交わり始め、最後に余韻を残すような構成を維持してほしいものである。
ラヴァーズ・ソウル (プラザコミックス)
収録内容
・HONEY
一週間前に自宅に押しかけてきた彼女と遂に・・・
・季節はずれの誘惑
彼氏に見せる為にビキニを着た彼女に彼は・・・
・スウィート・トラップ2
大きくなってからの初恋、家庭教師の先生に誕生日プレゼントに彼女が求めたのは・・・
・先生の事情
雨の日、家庭教師の家で勉強することになったマサだったが・・・
・いまだ春休み
とあるイベント会場で出会った彼女がHなコスプレで・・・
・ハードボイルドな彼女
ミニスカートでストリートファイトする彼女はバイオレンスの後には・・・
・檸檬の刻
英語を教えてもらいに行った彼女の家で・・・
・挑発は刺激的に!
最近忙しくてしていない二人、そんな二人が・・・
・ホット・スペース
仕事後、倒れた彼女を看病した彼に彼女は・・・
・始めての日
友人の初H、そして親友の初Hの話を聞いた彼女は高校時代の先輩に・・・
全編ヒロインはちょい巨乳系です。様々なシチュエーションの短編集ですが、全編ハッピーエンドで終わっています。(陵辱系が苦手な人にお勧め)
個人的お気に入りはハードボイルドな彼女ですね、ストリートファイトで見せる彼女の表情と、その後彼の前で見せる表情とのギャップがいいですね。