イギリスから来た男 デラックス版 [DVD]
映像特典はインタビュー映像、ミュージックチャプターなど。
この映画の魅力は60年代のカルト・ムービーの主役をつとめたT・スタンプとP・フォンダの顔合わせ。
「コレクター」のスタンプ、「イージー・ライダー」のフォンダの共演とくれば、ある世代以上の方には興味をひかれる作品。
しかも、監督はソダーバーグ。
使われている音楽もスタイリッシュ。
カットも面白いと思う。
ストーリー自体は、愛娘の復讐のためにやってきた男(T・スタンプ)と、大物音楽プロデューサー(P・フォンダ)との対決。
映像の時系列がコロコロ変わり、空想や回想になるので、一見複雑そうに見えるが、話自体はいたってシンプル。
ソダーバーグ監督ファン、往年の二人の主演した映画ファンなら楽しめる作品かもしれない。
60年代にT・スタンプが出演した映画のカットが、回想シーンに使われている点も面白い。
あらすじは★3
T・スタンプの渋くてクールな魅力を加味しての★3・5〜4
台詞を言わなくても、映像に写っているだけでもカッコイイ。
ソダーバーグ監督の60年代映画と二人の俳優へのリスペクトが、十二分に感じられる映画。
ただし、万人向けではないと思うので、監督が好き、出演俳優が好きな方にしかおすすめしない。
未来人ジョン・タイターの大予言―2036年からのタイムトラベラー (MAXムック)
タイムトラベラーなんて夢物語だ。っと思っていた自分に
こんなにもワクワク、無我夢中に本を読んだのは久しぶりです。
衝撃が走ったどころか、彼の言っている事が実際に起きても
不思議じゃないくらいの感覚が本を読み終えた後残っていました。
本の内容は未来人ジョンと掲示板の人々との会話のやりとりで
疑いの眼差しで質問してくる人々に対して、最後まで投出さずに
きちんと答えるタイターの姿勢やレベルの高い会話のやりとり。
未来の世界の人々の暮らしや、タイムマシーンについてなど
未知の会話のやりとりがとても面白く、例えこれが嘘でも
満足した1冊でした。
個人的には2008年が楽しみです。
何やらこの年はいろいろ起きるみたいです。
ブラジルから来た少年 [DVD]
第二次大戦後、南米ににげたナチスの残党のうちアウシュビッツの主任医師として、わが国の731部隊に匹敵するほどの残虐な人体実験を行ってきたヨーゼフ・メンゲレ(グレゴリー・ペック)の恐るべき計画と、それを阻止するナチ・ハンターのリ−バーマン(ローレンス・オリビエ)の対決を描いた映画です。
日本では未公開に終わりましたが、その昔、今はなきレーザー・ディスクが発売された当初は、この作品のソフトが初期の目玉になっていました。
この映画の性質上、内容を詳しくレビューすることは出来ませんが、ストーリーの面白さもさることながら、ジェームス・メイスン、ウォルフガング・プライス、スティーブ・グッテンバーグ、デンホルム・エリオットなどを脇にまわして、グレゴリー・ペックとローレンス・オリビエの二人のご老体が大活躍です。特にグレゴリー・ペックはそれまでは生真面目な役が多く、大根役者の感があったのですが、この映画のペックはまさに怪演で、過去の真面目な正義漢のイメージを逆手にとって見事な演技でした。
実在のメンゲレはナチス・ハンターの手を逃れて1979年に南米で海水浴中に死亡。この映画が製作された1978年にはまだ生きていたのです。
チベットから来た男 世界探偵小説全集(22)
チベットに興味を持つ富豪が、自宅にある趣味で集めた品々を陳列してあるチベット美術室で殺される。場所はチベット密教の恐怖の死神、夜摩天の像の前、しかも美術室は密室状態だった。無断で邪まな心を持ったまま、密教の秘儀を行った報いなのか・・・。密教や秘儀や呪いといったものが、事件の謎や周りの雰囲気を盛り上げていて、読んでいてゾクゾクしてきます。
この殺人事件が起こるのが物語も中盤を過ぎたころ、それまでは(もう一件殺人事件が起きますが)これでもかとばかりにチベットやチベット密教に関する記述にうめつくされています。これが「西洋人の描くヘンな東洋」ではなく、探検家の語るチベット探検紀行などとてもおもしろい。登場人物も殺された男をはじめ、考古学者にして探検家でチベットに造詣の深いその弟、チベット人の秘書、チベットからきたラマ僧と、徹底的にチベットにこだわっています。巻頭に載っている参考文献を見ると、作者はよくよくチベットについて調査したんだろうな、と頭が下がる思いがします。たかがミステリ、されどミステリ、そのこだわりと意気込みや良し!
「不思議の国チベット」に彩られた雰囲気、事件の不可思議な謎とその論理的な解明、魅力的な探偵といいとこだらけなんですが、ただ一つの難点は殺人の方法、あんなこと本当にうまくいくのだろうか?ちょっといただけませんでした。
巻末の解説には、著者の著作リストと概要が載っているんですが、そのほとんどが真っ向勝負の本格ミステリらしく、あらすじだけでどうしても読んでみたくなります。こんな人の心をくすぐるような解説を載せたのですから、出版社は責任をとって全作翻訳出版してください!
地球に落ちてきた男[完全版] [DVD]
ニコラス・ローグ監督が当時人気のロック・ミュージシャン、デビッド・ボウイを起用した
異色ムービー。
宇宙船で家族とともに地球に落ちてきた男が元の星に戻ろうとするが、、、。
見どころは、やはりボウイの「性」を超越した美しさか。
ラスト・シーンの異様さには凄みさえ漂う。
カルト・ムービーにふさわしく映像のタッチも独特だ。
ストーリーもシンプルで判りやすい。
彼がテレビを観るシーンで流れてくる映画は
「昼下がりの情事」「駅馬車」「第三の男」「超音ジェット機」など、
ローグ監督のオマージュと思われる。
映画史を彼なりに、パノラマ視したものだろう。
ただ、今現在の観客にどこまでアピールできるかやや疑問だ。