マカリイ
前作「オリオン13」から約2年ぶりの、活動再開後の二作目となる新作アルバムです。
その間、シングルが6枚、ライヴアルバムもリリースしているためあまり久しぶりといった感じはありません。
「オリオン13」はエネルギーに満ちあふれたハードなバンドサウンドからバラードまでバラエティに富んだ内容でしたが、本作は一曲目、シングルで発表済みのタイトル曲に象徴されるようなしっとりとした、スケールの大きい曲が並ぶ、落ち着いた作品になりました。
「オリオン13」と合わせて、本物の歌、曲を楽しみたい方に最適の作品と思います。
ラスト2曲の「群青」「昴」のリメイクは悪くはないのですが、やはり今でも古びれないオリジナルの収録アルバム「海を渡る蝶(群青ー収録)」「昴」を未聴の方にはぜひ聞いていただきたいと思います。傑作です。
ペンギン村に陽は落ちて
圧倒的な知識に加え、発想力が凄い。さすが文壇でも、独特の位置を占めるだけある。この本は、ドクタースランプ、ガラスの仮面、筋肉マン、うるとらまんドラえもんなどの漫画を「徹底的に」破壊した小説で、至上の名作である。どらえもんでは、パパが「役立たずのゴミ」として扱われる。なぜか菊池桃子が出てきてマスターベーションの話を延々とする。うるとらまんでは、怪獣と恋をするウルトラマン妹筋肉マンでは、ケンシロウがでてきて「ぺろぺろ」みたいな擬音しか喋らない。ガラスの仮面が、個人的には最愛する。なんちゃらカンガルーというわけのわからん役でシュールさと知的さ満開である。
桜は桜/夢になりたい
夏(ツバメ)、秋(ロード・ソング)、冬(十三夜/マカリイ)、そしてこの春(桜は桜/夢になりたい)と続く「四季の旅」シリーズの“完結編”。老錬の境地に入ったチンペイさんがここでも「ひたすら散る」花を、人生になぞらえて歌い上げる。
「旭山動物園物語」の主題歌、「夢になりたい」がいい。特にアルバムにはまず収録されることはない「西田敏行&出演者バージョン」は、同じ歌とは思えないほど楽しい。失礼ながら、この1曲だけでも充分お釣りがくる。
映画のラストで、西田敏行演ずる退職した園長が歩いて行く姿を延々と写していたあのシーンに重なる。何かを成し遂げた男の背中だった。