友だちのうちはどこ? [DVD]
初めて観たイラン映画。
いきなり、見たこともない生活空間が広がり
これこそ映画の醍醐味。
景色や、言葉や、風習を見ているだけでも
とても興味深い。
映画は、タイトルの通り、友だちのうちを探す物語。
そういえば、こないだまで、日本にも携帯はなかった。
その前は電話だってなかった。
もちろんインターネットだってない。
何かを知ろうとするときは、人に聞くしかなかった時代が
自分にもあった。そう、子供時代だ。
聞くことが不安な子供時代。
大人が別の人間に見えた子供時代。
その大人の理不尽さ。習慣という規則。
芥川龍之介「トロッコ」にも似たような不安な感情。
子供の表情があまりにも上手で、
「早く早く!」って思ってしまった。
映画とは、知らない世界を知ること、
知らない町を垣間見ること。
数時間だけでも、体験できることができる。
本当に素晴らしい。
友だちのうちはどこ?【字幕ワイド版】 [VHS]
ジグザグ道3部作の第1弾です。
宿題をちゃんとノートにしてこなければ退学にする、と言われた友だちのノートを間違えて持って帰ってしまった少年がなんとか友だちにノートを返そうと家を探し回る、そんなストーリー。
まず、はじめの教室のドアだけを映したシーンが微妙に長くていい感じ、先生が来る前の教室はあんなものでしょう。家に帰ってからノートに気付き、お母さんに「返してくる」と言っても、「宿題が先」「宿題しなさい」「しないとぶつわよ」と言われるトコは万国共通だなぁ、と。イラン映画なのに昔の自分を思い出すみたいなトコがいい。道々の大人たちがまともに取り合ってくれない場面は、もう社会の縮図ですね。もちろん他人同士なのでプライオリティーが違ってくるのは仕方ないんで!すが・・。
好きなシーンは、少年が返しに行く途中で、丘、というか小さい山みたいな場所を一人かけるシーンがあるんですが・・映されている映像の8割が丘で、あと2割に少年と空が映っていて、その空が、サイコ―にリアルでした!
あぁ、なんて言うんだろう・・・・あの曇り具合は日本の空です。そして、むかし僕が見上げたことのある空でもあった。