極秘捜査―政府・警察・自衛隊の「対オウム事件ファイル」 (文春文庫)
『ミスをすれば批判され、円滑に行って当たり前』の日本を護る多くの人達の勇気と感動の物語。
緻密な取材に裏打ちされた切れ味鋭い文章は、なまじっかのミステリー小説も敵わない緊張と弛緩の連続である。
自衛隊、警察・・・は何もやってくれない等と言うなかれ。我々の見えないところで彼らは地道な捜査を続けているのだ。そして、手柄は自分自身や苦楽を分かち合った仲間たちだけで完結し、また次への捜査へと向かうのである。
警察や警視庁、自衛隊の活動不足を嘆く多くの人にお勧めの一品!!日本の調査能力は凄いの一言!!
宣戦布告 [DVD]
ストーリー自体は座礁した国籍不明の潜水艦から重武装した特殊工作員部隊が上陸しゲリラ活動を開始という突飛な内容だったが、みた時期が時期だけにけっこう現実味を感じられました 現場とキャリア組や政治家の対立や実戦での武器使用制限による苦戦ぶりなどは妙なリアリティーがあって正直、ゾッとしました
加筆完全版 宣戦布告 下 (講談社文庫)
たった11人の北朝鮮兵士。これが侵入した兵士に倍する損害を日本側に与えます。しかも、その原因は末端の練度ではありません。トップの決断の欠如と我が国の憲法を頂点とする法律による制限です。
惨たらしく死んだ部下の姿に直面し、現場がクビを掛けて決断して初めて、事態は一変します。少なくとも2001年時点では、そうした決断をした人間は確実にクビになる上、刑事罰が待っていました。
その状況に至っても、相変わらず首相官邸では鳩首会談が続きます。
今、有事法制も国民保護法制も成立しましたが、事態は改善したのでしょうか。防衛庁、総務省、警察庁、そして何と言ってもこのシリーズで一貫して暗躍し、トップの決断を遅らせ続けた外務省の姿勢に変化はあるのでしょうか。
宣戦布告 [VHS]
専門的な知識もなく、原作も読んでいないので詳しい事実関係は知らないがそれなりにシビアな内容で見応えはあったと思う。しかし後半詰まったのかかなり粗削りで見せ物的な戦闘シーンやあまり説明がなされていない事態の終息など疑問は残った。何となく日本沈没や東京湾炎上の様な雰囲気であった。しかし日本の危機管理体制の甘さ、がんじがらめの有事法制などに一石を投じたと言える作品だと思う。今のままではSATも自衛隊も宝の持ち腐れだ!ビデオは1円からあるのでまだの人は買ってください!
加筆完全版 宣戦布告 上 (講談社文庫)
単行本のときにも読んだのですが、この度加筆されて文庫化ということで購入、読み 直しです。 トム・クランシーとの類似を指摘する人も多いけど、カタルシスを求める人は失望す るばかりでしょう。本質は高度な政治批判の書。北朝鮮の兵士が原子力施設の集中す る敦賀半島へ潜入、国民の財産や生命を脅かす行動をとったときに、国家はどうする のか、というシミュレーション小説です。
情報の質も量も申し分なく、ジャーナリズムへ重心をおいた語り口も、官僚機構、官 邸、警察機構、自衛隊に対する過度の思い入れも、失望もなく、冷静な態度です。 特に、外国からの謀略などを扱う、警察の外事部門が、非効率さをかかえながら、多 くの失敗や無駄をくりかえしつつ、それでも成果を上げていく様子は、失望のためい きをつきつつも、納得させられます。
「亡国のイージス」という小説があって、評判が良かったのだけれど、「宣戦布告」は人間を描かないことで、目的を充分達していると思う。組織を描くには、そこにどんな人間が取って変わろうとも、同じ結果がでることを納得させなければならないからで、逆に人間を描くにはまさに、独自の人間を構築できなければ納得させられない、とも思う。 文中に一部、あきらかにあいまいにしてある部分がいくつかある。海自と米海軍のリンクシステムに関するくだりなどがそのひとつで、なにかとんでもないことが本当はあるのに、書けない、といった感じがする。できれば本人に聞いてみたい。