不肖・宮嶋の「海上自衛隊ソマリア沖奮戦記」 (家族で読めるfamily book series―たちまちわかる最新時事解説)
不肖ファンたるもの、たとえ文字がでかくて薄くてアイドル本のようなスカスカな紙面であっても、印税を上納して次なる傑作のための助走のコヤシになってくれるものと信じてコレも当然買いなのである。
しかし、そうでないエントリー読者には他の数多の傑作本をお薦めするのだ。
さて、内容はというといつものドキュメンタリータッチで予測不能&エキサイティングな内容とはちょっと違い、海上自衛隊のソマリア展開に関する不肖の思うところが書き連ねられているばかりで、実際の船舶警護のリアルはさっぱり伝わってこない。簡単にいうとちと残念な内容なのである。とはいえ、不肖節は健在で、独自の視点と天才的感性からひねりだされる文章と現場主義ならではの解説など面白さは一定の水準を維持している。
ファンは買い・・・と記しておきたい。
ああ、堂々の自衛隊 (双葉文庫)
テレビや新聞がわれわれに伝えていない重大な情報がいかに多いかということがわかった。国会で武器の不携帯を決めたことがいかに非常識であったかも。この時点では私は自衛隊に同情する。無事に帰ってこられたが、Mission Immpossibleだよ。現に警察官とボランティアの学生の日本人2人は犠牲になったしね。マスコミがわれわれに与えてくれる情報がきちんとしていなければ、自衛隊を派遣するだの撤収するだの正しい判断できないでしょう。リスクを犯しての海外派遣は不要だと思っていたが、海外派遣の意義を十分認識した。(自衛隊に情報操作されているような気もするが・・・。)
著者の活躍武勇伝ももちろん面白いのだが、上述のことのほうがはるかに重要で得るところが多かった。カンボジアで自衛隊が何をしていたのか、テレビや新聞では全くわからないもの。
世代間連帯 (岩波新書)
なぜ、今こそ、「(世代間)連帯」が必要なのか。
それは、それなくしては、社会が持続していくことができなくなるから、
今それをしないと手遅れになるから。
自分は、男女共同参画や子育て支援関係の行政に関わる立場から、あれこれ学び、
考える中で、つきつめるところ目指すところは…「社会が持続可能であること」であり、
そこを目指す上で、世代間の格差とそこから闘争状態が生じてきていることが最大の
阻害要因だと感じるようになってきた。
が、「感じる」けども、うまく「説明」ができない。
この本は、そこをとても分かりやすく説明してくれていて有難い。
医療、福祉・介護、貧困、労働…などの社会課題もすべて関連してくるのは当たり前で、
本書ではそのあたりも…というか、そのあたりをメインに取り上げている。
自分は、辻元清美という政治家の言動が感覚的に好きでないし、本書の中でも
政治的というか政争的な発言をしている部分には首を傾げる点が多かったが、
上野千鶴子にストレートに意見をぶつけ、上野の社会学者・社会政策立案者としての優秀さを
わかりやすく引き出したことに感謝。
上野も「おひとりさまの老後」では独善的・利己的な書きぶりが目立つと(自分には)感じたが、
社会システムを総合的に見れる学者としての優秀さはさすが。
完全に余談になるが、ジェンダー平等が日本である程度まで実現していたら、
上野のような優秀な頭脳は別の事に活躍してもらえるのだろう。その点だけでも、
ジェンダー平等でない状態はもったいないのかも。。。