為替がわかれば世界がわかる (文春文庫)
この本のタイトルから為替市場の仕組みを中心とした経済本を想像して購入したのですが、内容は元財務官で「ミスター円」の異名をとった榊原氏の財務官時代の体験談を中心書いており、為替そのものについて詳しく言及していません。
しかし各章の後にある「コラム」と最終章である第5章において現在の日本及び世界の経済状況と今後日本が進むべき方向性を示唆しているので救われました。
上記の理由により星を3つとしましたが、為替市場を知り尽くした人がその当時の榊原采配の真意を知りたいと言う意図で購読するのであれば価値はあると思います。
<入門の金融>外国為替のしくみ
外国為替を解説した本というと、易しいことだけをうたった内容のない本と、理論だけを難しく解説した実戦では役に立たないものが多いが、この本は実際に外貨投資を始める人が必要とする最低限の知識をわかりやすく解説している点で好感が持てる。
いわゆる素人投資家のレベルであれば、この本で一通りの知識は得られるだろう。デリバティブに関してもやたらと難しい数式を並べるのではなく、必要な点だけを網羅している。
外国為替トレード 勝利の方程式
期待はずれといっても、書いてある内容が悪いというわけではありません。
利益を出せていない方には、この本に書かれているトレードにおける精神面・技術面に対する考え方は学ぶところ大です。
しかし、その精神面の鍛え方や具体的な技術の解説はまったくないため、ではどうしたらよいのだろうと、次なる書籍を求めたくなるでしょう。
また、この本にかかれていることは基本的なことばかりなので、逆に利益を出せている方や、その基本を守れる人には、どこかで聞いた内容ばかりに映るでしょう。
本書にあるように、自分の性格を認識し、知識・技術の積み重ねの中で「ある日突然勝ち方がなんとなく見えてくる」には同感です。
しかし、この本にはその勝ち方が見えるまでのトレーニング法はかかれていません。
タイトルのような為替取引一般の方程式が書かれているわけでも(精神面での方程式はあります)、またトレードに関してはあえて彼が勝利してきた経験則の紹介にとどまっているので、ある程度トレードをしてきて次なる世界を目指す方には、この書籍の価格からするとすこしものたりないかもしれません。
逆に、初心者がトレードに対しての心構えや知っておくべきことを学ぶバイブルとしてはお勧めできます。