月に沈む [DVD]
アーティストである浜崎あゆみを主演に30分のPV。キャスティングと時間の制約のなか、これだけの作品に仕上げた行定勲監督は評価すべき。『月に沈む』に言及すれば、脚本・演出・映像のクオリティーは決して低くはない。本編中に流れる曲「Voyage」が活きているのを聴けばそれがあきらかになる。もちろん、この曲自体素晴しいのだが。残念なのは2人の大根役者だ。浜崎あゆみと糸井重里では過度の期待は禁物だ。
十三人の刺客<Blu-ray>通常版
ストーリー自体は単純。それがいい。極悪非道の悪い殿様がいて、こいつが国政に参与したら国の危機だ、地方の城主のうちに討たねばと、密命を受けた御目付たちが参勤交代の大名行列を襲うお話です。それに対して君主を守ることこそ武士の本懐と、殿を守り抜くべく周到な準備を進める。
13人はもちろん、民と世の安定を守るために命を捨てる正義の味方なのだけれど、彼らが戦う相手とて、決して悪者ではないというところがポイント。
島田(役所広司)が共に暗殺計画に携わる仲間を見つけ、策を練り、訓練に励むくだりこそ、目立って大きな立ち回りはないが、その分だけ静かに、しかし滾る闘志を感じさせる描写が多く、温度は高い。特に、島田が老中土井の命を帯びて動いていることを悟った鬼頭(市村正親)が島田の屋敷を訪ねる場面など、穏やかに過去を懐かしみ、そして秘めた想いを語っているだけなのに、ヒリヒリするような緊張感がありました。
しかし、出色は物語の中心にある松平斉韶という人物像ですね。徹底的なヒールを演じた稲垣吾郎、よく頑張りました!!
刺客側は13人もいるので、末端のキャラクターまで十分に描けていないのが残念ですが、たぶんそれをやってしまうと「七人の侍」級の長さ(上映時間207分)になってしまうから、割り切って後半の大活劇に焦点を合わせようという考え方ではなかったかと思います。それでも141分の映画です。
終盤50分程が、すべて宿場での決戦に充てられているだけに、緊迫した場面が続くと観ているほうも疲弊するが、さほどそうは感じないのは、点々と軽く盛り込まれたユーモアのお陰でしょう。
特に、伊勢谷友介演じた木賀小弥太というキャラクターと、彼のハジケっぷりがいいアクセントになっています。しかもそれと同時に、彼との対比で侍たちが意固地に守り続ける価値観の滑稽さと哀しさとを浮き彫りする脚本の上手さ。
「斬って斬って斬りまくれ!!」「拙者、この太平の世に侍として、よき死に場所を探し続けておりました」「俺の背後に抜けた者を斬れ。一人残らずだ」等々、名セリフの数々は心に残るし、前述の島田の屋敷での役所広司と市村正親の一連のやり取りや松本幸四郎の男の意地の表現など、それだけで金を払ってもいいと思える見せ場も数多い。
十三人の刺客 豪華版(2枚組) [DVD]
今作『十三人の刺客』は元々、過去に製作された同名映画のリメイクの様です。
私は元々、その事実を知らずに居ましたし、単純にストーリーの内容に興味が有って映画館で鑑賞しましたので、今回は2010年版十三人の刺客に付いてのみのレビューとさせて頂きます。
過去作品との相違点などを知りたい方は、他の方のレビューや、過去作品のそれを参考になさって下さい。
まず、鑑賞してみて、大まかに思った事は『全体的に硬派な映画である事』『正統派、侍映画では無い事』と言った所です。
第一に硬派な映画であった事に付いては、様々な要素で、そう感じたのだと思う。まず主人公『島田新左衛門』を演じるのが役所広司、そのライバル『鬼頭半兵衛』を演じるのが市村正親等、主要登場人物にイケメン若手俳優を据えて居ないという事でしょう。
元々、この映画の時代背景が徳川幕府の末の時代、やるべき事を無くし武士として相応しい死に際を探していた新左衛門に、松平斉韶‐まつだいら なりつぐ‐(稲垣吾朗演じる暴君。ラスボス)の殺害命令が下された事により、初めて武士としての本懐を遂げる事になる。という所から始まります。
ただ単純に剣戟を交わす殺陣を見せたいだけならば、配役はどんな人間でも良かったのかも知れませんが、上記の様に生きていく中での意味を失いかけて居た年齢と言う事を鑑みて、若すぎず、されど老獪すぎずという中年層に落ち着いたのでしょう。
無論、新左衛門の元に集う仲間たちは、若い武士も多いのですが、その誰もが一様に『武士として』という志の元に集っており、金の為、富の為といったアウトロー役が居ない為にお笑い的なクッション要素は余りありません。
そして次に、それらを支える女性陣の姿がほぼ見られない事。これは、最近の歴史ドラマや時代劇では非常に珍しいと思う。昨今のドラマでは、今まで時代劇に於いてスポットの当たる事の少なかった女性視点と言うのは良く描かれる。そうする事で、人間味を足したり、女性客にも視聴しやすくするのが目的なのだろうけど、この作品ではそういった要素は悉く排除されている。
今まで、あまり男くさい作品や、硬派な作品を見た事のない女性達にとっては『カッコいい俳優目当て』だけで見るには辛い作りかもしれないです。しかし、その分の時間を武士の生きざまや心境を描く事に注力したお陰で、主人公側だけでなく、敵側の登場人物にも十分感情移入できるような設定になっていると言えるでしょう。
骨太な作品をお求めの方は、満足できるかと思います。
次の、正統派時代劇では無いのかな?と思った箇所に付いては、人によっては見解が分れるかもしれないけど、全体的にアクションシーンが大味であった為、そう感じたのかもしれません。
まず、時代設定が、徳川の世も末。といった感じの設定ですので仕方なし、という感も有りますが、正々堂々とした戦では無いのが一番の要因でしょうか。主人公たち刺客側は勿論『多勢に無勢』の戦いに挑む訳ですから手段等選んではいられず、稽古場面でも『どんな手を使っても敵を殺せ』といった表現が出てきます。こういった箇所だけならば『刺し違えてでも相手を倒す』事を目的とした流派、かの近藤勇の修めて居た『天然理心流』に通ずる所も有ります。
しかし、それだけではなく、廃村を要塞へと作り変えて様々なギミックを用意して居たり、走り廻らせた梯子を軽々と渡りながらの空中戦など。まさに『時代劇の決闘や戦』と言うよりは 『サムライ活劇のチャンバラ』といった表現が合うと思います。
これは、コテコテの時代劇が好きな人には、受け入れられない方も居るかもしれませんが、上記に記した様な、数の差を様々な手法を使って補い、たった13人だけで200を超える人数を追い詰めていくクライマックスの戦闘シーンは見ごたえが有ります。
全体的に見所としてはこんな感じでしょうか。少しひねった感じで作成された時代劇ですので、好き嫌いはハッキリと分れるかもしれません。しかし、豪華な俳優陣。それに伴う素晴らしい演技やアクション。それらについては間違いなく一見の価値ありです。
ただ一つ。『勧善懲悪』的なストーリーを希望している方は、しっかりと事前情報を集めて行くことをお勧めします。なぜかと言えば、味方にも敵方にも、しっかりとした思想や信念が有り,ただ単純に『平民を守る正義の武士と何も省みる事のない暴君』という関係ではなく。それぞれがそれぞれに、確たる『武士とは何たる物か』という考えを持って行動しているので、クライマックスで明確に『あー、すっきりした』という終わり方では無いかもしれません。
まぁ、敵方にもバックグラウンドが有る時代劇は、往々にしてその様になりがちなので、小難しい事を考えずに鑑賞したいのならば『必殺仕事人』でも見た方が無難でしょう。
これらの観点から総評として
・ストーリー自体は単純で頭を悩ませる事は無い。大河ドラマの様な複雑な人間関係を見るのが苦手な人でも安心して鑑賞できるでしょう。
・基本的には硬派で、浮いた感じはあまりしない作品。女性視点を意識してのやんわりとした映画をお望みなら、少し考えてからにしましょう。
・人間ドラマは作り込まれて居て、非常に見応えが有った。中にはちゃんとしたギャグ要因も居たので、まったく息抜きが無い訳でもない。ストーリー目当ての人は満足できる出来でしょう。
こんな感じです。私としては、敵の大将役である稲垣吾朗さんの、迫真の演技に一番驚きました。まさか涼やかな顔と声が、あそこまで『暴君領主』の役柄に嵌るとは思って居なかったので・・・・もはやアイドルとしての顔は伺う事は出来なかったほどです。冒頭で表情一つ変えずに人の首をグリグリと切り落とすシーンには怖気すら感じる程。
なかなかスポットの当たらない観点かもしれませんが、そういった細かい部分にも注目してみてはいかがでしょうか?
以上、購入の参考になさって下さい。
十三人の刺客<Blu-ray>豪華版(特典DVD付2枚組)
いわゆる傑作と評される映画のリメイク作で、オリジナルを超える、もしくは変わらぬクオリティを保つ事は容易ではないと思うけど、三池崇史がやってくれました。オリジナルに敬意を払いながら、良い意味で、三池ならではのケレン味とサービス精神を加味させながらの140分。工藤栄一の名を一躍有名にした傑作が、40年を経て、こんな形で甦るとは。
東映Vシネマから、「SUKIYAKI WESTURN」、「ヤッターマン」まで、もはやヴァラエティに富んだ日本が誇る凄腕職人監督のイメージが強い三池だが、今作では、クローズアップの多用とラストの大殺戮までの抑えに抑えたストイックさで、オリジナルを踏襲しながらも、ブラックな笑いと時折垣間見えるアナーキーな感覚、不良性感度の高さはいかにも三池らしい。
13人の選ばれし者たちは、アクション路線とは馴染みの薄い俳優が殆どだが、彼らをサポートする松方弘樹が、さすがの貫録で、観る者に重厚感と安心感を与え、作品が締まる。
これ、東宝映画なんだけど、東映の三角マークを想起させるのだ。
有名なラストの50分に、オリジナルとの対比を見比べつつ、実は、これまた大傑作の「ワイルドバンチ」をも連想したと告白しておきたい。
クイック・ジャパン94
重度なバナナ中毒者には少し物足りないかもしれません。
内容ではなく、ページ数が。それだけのマイナスです。
もっと、もっと読みたかった!ってなってしまいます。
でも読んでいる内に、バナナマンが「そうゆうつもり」で
発信していたことを「その通り」に受け止める事が出来ていたことが
中毒者としては非常に嬉しかったです。
「やっぱり!!」って感じでww
何故バナナマンには、にわかファンがいないのか。
それは好きになった瞬間にすでに中毒にかかっているからです。
「言いすぎじゃない?」と思った方はこの本を読んで
バナナマンの事を知って下さい。
その上で、テレビでの彼らを流さずしっかり見てて下さい。
そしてDVDに手を出して下さいww
間違いなく、彼らの魅力と才能に惚れると思います。
ああ、言い足りない・・・www