ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国 [Blu-ray]
前作「銀河伝説」は確かにウルトラシリーズに新風を吹き込むもので、緊迫したストーリー展開と華麗でスピード感溢れるアクションによって、「ハリウッドのアクション映画にも劣らないものがこのウルトラシリーズから誕生するのでは?」という期待すら抱かせるものであった。しかし、それに続くこの「銀河帝国」には、正直ある物足りなさが残った。確かにCGは豪華絢爛だし、内容も盛りだくさんだった。しかし、この「盛りだくさん」が果たしてストーリー上、必要なものだったのかと言うと、やはり疑問がある。ミラーナイトなど過去の円谷シリーズのヒーローの復活について、「お父さん世代」に「懐かしい」と思わせるのが目的であると、製作者側はパンフなどで説明していたが、本当にそうだったのだろうか? こういう特撮物ではキャラクターグッズの売り上げが製作者側の主要な財源になるのは常識だが、最近の特撮物は(仮面ライダーや、戦隊ものも同じように)「グッズ売らんかな」の意図があまりに露骨で、なんとなくシラケてしまう。今回の作品は一種の「パラレル・ワールド」物なのだが(それによってミラーナイト等との競演が可能となる)、それすら、たくさんのキャラクターを出して「子供の購買意欲を刺激する」というのが最大の目的だったのではないかとつい勘ぐってしまう。そう思わせられるのは、盛りだくさんのわりに、物語性が(前作と比べても)かなり低いからだ(しかも、かなり支離滅裂である)。他のレビューの中にも、ハリウッドの「ヒックとドラゴン」と比較したものがあったが、確かに物語性としては「ヒック……」の方が数段優れていたと言わざるを得ない。長年のウルトラファンの一人として、製作者が利益を出し、更なるウルトラ映画を作ってくれるのは大歓迎なのだが、本来アジア映画の特徴であった筈の「作品の深み」が、ハリウッドにおかぶを奪われたのは悔しい。映画不況が叫ばれるこの時代、利益が見込まれなければ映画作りすらできないという製作者側の苦衷はわかるが、それをグッズの売り上げに求めるのではなく、やはり作品の内容と質で勝負してほしい!それが王道であり、わが愛するウルトラシリーズにこそ、この「王道」という言葉が似合うと思うのだが……。すっかり「罠にはまった」子供のために、前作とちょこっと違っていたゼロだけでなく、ミラーナイトなど様々なグッズを買わされたパパとしては、ここで一言文句を垂れる権利ぐらいはあるのではないだろうか。
ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国 メモリアルボックス(初回限定生産) [Blu-ray]
素晴らしい作品でした。
まるで神話の世界のような壮大なストーリーと、登場人物の全員が異星人という今までの常識では考えられないブッ飛んだキャラ設定。子供向けと侮ってはいけません。この映画こそウルトラマンシリーズの歴史を変えた作品、そして日本映画史に残るべき超一級のスペース・オペラです!
前作から更に飛躍的に進歩したVFX映像は大きな見物でした。
開始早々、「宇宙の外には別の宇宙が泡粒のように無数に浮いている」という"マルチバース理論"を表現した映像に目を奪われます。この理論の映像化自体この作品が初。
他にも惑星一つを文字通り鷲掴みにする超巨大な要塞、宇宙空間を舞台として戦艦の軍団が繰り広げるスターウォーズ的コンバット・ファイト、心躍るジャンバード発進シーン、などなど、ハリウッド映画のそれと比べても遜色無い大迫力の映像が、次から次へと出てきます。
しかしこの作品の最大の見所は、未知の宇宙でウルトラマンゼロが出会う本当の仲間達、そして彼らとの出会いを通じて本当のヒーローに成長していくゼロの活劇でしょう!この作品では、「ウルトラマンではない」新たなヒーローが、それも一気に3人も出てきます。ミラーナイト、グレンファイヤー、そしてジャンボット。それぞれのキャラが立っていて、そして見せ場も十分過ぎるほど用意されている!
ここは監督の力量の見せどころで、前作では90分使ってウルトラマンゼロという1人のヒーローを華々しくデビューさせましたが、今回はそれが3人。しかもその全員が「ウルトラマンではない」。ウルトラマンの映画で、ウルトラマンではない全く新しいヒーローを一気に3人も登場させ、盛り上げる。並大抵の力量で出来る事ではありません。
ここ最近のウルトラ映画は、懐かしのウルトラ兄弟の登場が定番化しつつあり、その一方でそれが徐々にマンネリ化させつつあったのも事実だと思います。。近年のウルトラ映画が新しいものを作り出す努力を怠っていたとは言いませんが、少なくともこの映画は、今の時代に合わせた新しいものに真っ向から挑戦して見せた、偉大な作品です。興業が振るわなかったとか、そんな事は気にするべきではありません。映画は公開されたときが全てではなく、作品として後世に伝えられ、もっと沢山の人に観られた時に評価されるものです。
このウルトラ映画こそ、後世に受け継がれるべき作品です。
今の子供たちが1人でも多くこの素晴らしい映画を観て、そしていつか、その子供たちにもこの映画を見せて欲しい。そして、「これが僕らの世代のウルトラマンだよ」と、胸を張って教えてあげて欲しいのです。
素晴らしかったです。☆5個じゃ足りない。大変な長文で失礼いたしました。
ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国 [DVD]
宇宙空間での鮮やかな映像美とウルトラマンや他の惑星の人々だけの登場で地球人類が登場しない斬新な設定で今までのウルトラ映画とはスケールが違います。
ウルトラマン以外にもミラーナイト、グレンファイヤー、ジャンボットといった昔懐かしいミラーマン、ファイヤーマン、ジャンボーグAがリメイクされヒーローとして登場しています。
泡のように広がる別の宇宙空間への旅はとても神秘的です。
平日ということもあり息子と二人貸し切りで見た映画館で息子は絶叫しながらヒーローを応援していました。
サプライズ的に登場したウルトラマンノアはやはり宇宙の神、最強である事を感じさせるシーンでした。
ラストは年末公開予定の次回作をにおわせるエンディングで夢はさらに続きます。
ウルトラマンは不滅です。