ねこぢるまんじゆう (BiNGO COMICS)
ねこぢるにはもっと作品を描いていて欲しかった。この本を読むと、特にそう思います。
本書に収められている「ねこぢるまんじゅう」は、ねこぢるの新たな方向性をみることができます。
内容は、人間のおじいちゃんに育てられた、二匹のネコが母親を探しに旅に出る話。ねこぢるの作品にみられる、残忍なシーン、暴言などはありません。
ねこぢるの「かわいいキャラクターが残虐なことをする」といった作風が好きな人にとっては、どう感じるでしょうか。
わたしも、ねこぢるの描く、悲惨な話が好きです。
でも、この作品では、今までの作品とは違った、無常さが感じられます。
内容は暗くないのに、ねこぢるがどういう思いで描いたのか、とつい考えてしまう作品です。
自殺されちゃった僕
自殺も病死も他殺も、みな同じ死だが、それぞれ悲しみや苦しみは違う。自殺者にはその人にしかわからない、言えない何かがあり、確実に死ぬ瞬間までSOSを発している。自分の直近の3人の自殺。私だったら相当なショックを受けると思う。しかも立て続けに・・。うつ病、は確かに辛く悲しく悔しく・・・。と堂々巡りになってしまうものだが、著者の最後の言葉に生きていこう。という強い意志、また、早紀ちゃんへの呼びかけがものすごく感動した。死んでしまった人には2度と逢えない。けれど、また、逢おう。さよならは言わない。など、死後1年にも渡って忘れることのない純情さ、悲しさが胸にジンときた。人は、常に忘れていく生き物。それをしたくない気持ちも痛いほどに分かりました。自分もそうなりたい。
ねこぢる草 [DVD]
さすがは、湯浅政明氏といったところか。
カルト漫画『ねこぢる』を見事にアニメ化された作品。
色彩、世界観、音楽と、ねこぢるファンも納得の内容です。
が、なんと言ってもアングルが凄い。
ついつい見逃してしまいがちですが、奇想天外なカメラワークこそ、
この作品の醍醐味であると思います。
劇場版『クレヨンしんちゃん』や、『マインド・ゲーム』で
一躍、アニメ界の注目株となった湯浅氏の功労は、非常に大きいです。
押井守氏、今敏氏、渡辺信一郎氏といったビッグ・ネームと並べても、
全く劣ってはいないと思います。
湯浅氏のこれからの作品に注目。