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プロフェッショナル進化論 「個人シンクタンク」の時代が始まる (PHPビジネス新書)
「プロフェッショナル」ばやりの感はありますが、あえて言わせていただければ、いかに「優れたサラリーマン(あえてサラリーマンと言います)になるか」ということかと思います。
本書で田坂センセイが提起するのは、インターネットが普及した現在(しかもウェブ2.0へ進化)において、プロのサラリーマンはそれをいかに活用すべきか、ということ。
結論をひとことで言えば、(SNSやブログなども含めた)インターネットの特徴を活かして「個人シンクタンク」を目指せ、と。
主張自体は非常に共感でき、大前研一のプロフェッショナルの概念(英語もしゃべれて、バリバリやらないと生き残れないぞ的な)と比較すると、田坂センセイがいかに日本人的サラリーマンの特徴を理解し、メッセージを投げかけてくれているかがよく分かります。
特に、第三話まではIT関係を生業としないサラリーマンにとって、インターネットがいかに仕事と自己啓発に有効かがよく分かり、非常にためになります。とりわけ、「コンセプトベース」「プロフェッショナルフィールド」の項は参考になりました。
ただ、難点をいえば、第四話以降は仕事に活かすというよりも、一私人としての活動に活用すべき内容のように感じられ、(仕事の)プロフェッショナル論から遠ざかって言ったような印象を受けました。また、最終章は(私は大好きなのですが)スピリチュアルな田坂節であり、本書の趣旨とずれているように感じます。
とはいえ、インターネット技術が進歩している現代において、プロのサラリーマンはそれをどう活用して仕事に活かすか、ということを指南してくれているので、第三話までの内容だけでも値段の価値がある一冊と思います。
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BLACK RECORDER BOX compile & dj mixed DJ BAKU
非常に良く出来ていますね。
まず、音が凄く良い。
BGMとして部屋で流しても全然嫌な感じがしません。
曲の流れも、つなぎも良い。
もう少し入れて欲しい曲もあったんですが・・・
選曲も間違い無いと思います。
ケーボンのあの超ダミ声ラップはダサいですが
彼の作るトラックは音楽としてレベル高いと思います。
ブラックスモーカー関連の音源でMIXCDを作る作業はほんと難しかったと思います。
その点、上手くまとめたBAKUは凄いと思います。
このアルバムは何回も聴くほどに良さっがわかると思うので
最近の日本語ラップに飽きてしまったリスナーには
是非、手に取ってもらいたいと思いました。
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ジェラールとジャック
原作既読、森川さんが出てるので高いと思ったけど買いました。
内容的にはこの値段でこの内容は安い!と思うほどの出来でした。
ジェラールの冷たさとその背景、陰、流れる温かいもの、
短いセリフほどみっちり詰まっているようで、胸をつかまれるばかり。
若いころの温かな心が根底にあってのきつい言葉たちが
年を経ても詰まっていて、ジャックが惹かれるのも納得。
森川さんの演じ分けや言葉に込める感情に、凄味を感じました。
ジャックの、少年〜青年の心の動き、繊細さを、遊佐さんはとても丁寧に演じていらしたとおもいます。
青年になってから、もうちょっと声は低くてもいいのかなとも思ったけど、
遊佐さんの地声だと低すぎるからいいのかな。
このお二人に含め井上和彦さんや勝生真沙子さんの熟練したセリフ運びが非常に安定していて、
ごく最近の若手声優さんたちのBLCDには流れてこないような、
フランス映画のごとき空気がこのCDの中に流れているようでした。
長い、霧に包まれたような夜が明け、晴れた朝が来たような
朗読あけ、余韻を味わえるようにインストが入っていたのでよかった。
いきなりキャストトークだとびっくりしちゃったかも。
キャストトークがないと、現実に戻れないんじゃないかと思うくらいよしながさんの物語の世界観に浸ってしまいました。
極上の一品でした。買ってよかったと心底思います。