絶望に効くクスリ―ONE ON ONE (Vol.2) (YOUNG SUNDAY COMICS SPECIAL)
第2巻もさらに充実したラインナップであり、興味深い人物が多く、濃厚な内容となっている。
・ 「理屈なんざ どーでもいいんだよ、やりてえことをやれよ」――心のデビルマン・忌野清志郎(バンドマン)
・ 「自分が天下を取るっていうより、原案とか役者さんがどうすればもっとおもしろくなるかっていうのが大事なんで…」――当代人気No.1のカリスマ脚本家・宮藤官九郎
・ 「あたしのことを憎んでバランスがとれるんならそれでもいいわよ。『殺し』さえしなきゃね。」――障害児を含む10人の子を育てる里親・坂本洋子
・ 「ぶつかればぶつかるほどいいんじゃないかな。魯迅が言ってるんですよ、『抵抗が自分を造る』って…」――グリーンピース・ジャパン元事務局長・木村雅史
・ 「まあ、死にたいなら私の所に来たら治してあげますよ。」――北里大学東洋医学総合研究所 所長・花輪壽彦
・ 「人生は飛車角落ちの将棋です!! 負けるのがあたり前!!」――博学知識を持つ、ノートルダムの怪人・荒俣宏(博物学研究家) などなど…
そのなかでも最も興味に惹かれた人物が“不死身のアーティスト”町田康(作家/ミュージシャン)であった。私自身、本書を読むまで町田氏の事は全く知らなかったが、氏の挿話が個人的に最も印象に残った。
17歳でデビューを決め、ライブハウスで『カリスマパンクロッカー』にのし上がった天才『町田康』が、その後8年間の活動で大ヒットもなく、それから3年間表舞台から完全に姿を消す(本人曰く、やりたくないことはやらない)。
その頃、何もせずに1日5本も6本も『時代劇』を見て昼から酒を飲む生活やその傍ら図書館通いで純文学を読みまくり、その後『作家』として頭角をあらわして数々の賞を受賞し、2000年には見事『芥川賞』受賞を果たす。
そして何よりも感心したのは、音楽(ライブ)を捨てずに今現在も活躍されている姿勢やそのパワーに圧倒された。そして氏の一言も…
「基本的に自分は金を儲けたいわけじゃないし、人に褒められたいわけでも、賞が欲しいわけでもないんですよ。」
「自由になりたいんです。」
「自分自身の恐怖心とか、自分の限界から、自由になりたいんですよ…」
キラークエスチョン (光文社新書)
初対面の人と話すのが苦手、話が続かない。
そんなお悩みに、インタビュー取材で約200人の人と対談した著者は
自身が経験から導きだしたシンプルな真実で応える。
すなわち、人とのコミュニケーションを深めるために大切なことは
「何を話すか」ではなく「何を聞くか」ということ。
そして相手に気持ちよく話をしてもらう、相手の本音を引き出すための
具体的な質問(キラークエスチョン)について述べられたのが、本書である。
キラークエスチョンは、全部で26個。
ひとつのクエスチョンにつき4ページ(質問内容1ページ、解説3ページ)の構成です。
このクエスチョン自体は目新しいものではなく、
むしろよく会話に登場する質問が多いのですが、
自分自身が話をしやすいと感じる人は、そういえばこの種の質問をよくする気がします。
また解説を読むと、その質問の意義が書かれていて興味深かったです。
具体的なクエスチョンは、上記した通り26個あげられているのですが
著者の意図するところは、小手先の会話法などではなく
相手に関心を持ち、リスペクトするという心構え指南だという感じがしました。
絶望に効くクスリ―ONE ON ONE (Vol.1) (YOUNG SUNDAY COMICS SPECIAL)
作者自ら欲した絶望に効く薬。そのために生まれたマンガ。単なるインタビューもので終わってないところに、他のものとは一線を画するものがあります。