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Secrets
1979年作品。MTV時代になるまではこれが代表作だった。
1曲目はヒット曲としても有名な、軽快なロック・チューンで、実に今聞いてもカッコよくて、これがアルバム全体の印象をかなり決定している。
Toddの3曲目も彼の味わい深い歌声により素晴らしいテイクとなった。
これまでの多少実験的なポップ・テイストや、初期のブラック・ミュージック(ニューオリンズ・ファンク)への傾倒は影をひそめて、かなりバランスの良いポップ・ロック・ヴォーカル物として成功した最初の作品だ。
ロバート・パーマーの偉大なのは、そういうプロダクションが決して安易な妥協ではなく、質の高さを維持している点で、それがこの作品を現在でも魅力的なものにしている。
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Pressure Drop
1976年の作品です。メロウなフィラデルフィア・ソウル・サイドはホール&オーツ好きな方はきっと気に入るはず。そしてリトルフィートがベスト・プレイでサポートしているニュー・オリンズ・ファンク・サイドはボーカルがぴたりとはまり、ローウェル亡き後この人がリトルフィートに入れば良かったのになあと本気で思える充実度。見逃しがちな作品ですけど紛れも無い名作です。
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Sneakin Sally Through the Alley
ニューオリンズ~セカンドラインファンクの名盤は数あれど、個人的にその中でも最高と思っているのが、本作=ロバートパーマーのデビュー作です。
とにかく冒頭の3曲メドレーが素晴らしいの一言。ミーターズ、ローウェルジョージ等の一流のミュージシャンによる最高にファンキーでグルーヴィーな演奏をバックに、彼が艶かしく色気のある絶品のヴォーカルを披露してくれます。昔、ミュージックマガジン誌のレビューで高橋健太郎氏がこのアルバムに10点満点を点け、奇跡の競演と評されていましたが、それも頷ける名唱名演です。彼はこうしたミディアム系のファンキーチューンにおけるヴォーカルが実に上手い。白人系アーティストの中では屈指と言えるでしょう。
80年代に入って本格的にブレイクし、近年も地味ながら精力的に活動を続けていただけに、急逝されたのが何とも惜しまれます。是非多くの人に聴いて頂きたい希有の名盤です。